心が動くから記憶する。記憶は“気置く”です。
よって、心の動きが大きいほど記憶度合いが高くなるのです。
「記憶力=感受力」であるならば感受性の衰える中年齢以降は、その代わりを心の動きである「感動力」にさせましょう。
つまり、心の動きを喚起させれば記憶力は向上するということです。
記憶を創造的に喚起させましょう。
・ 見聞きしたものに変化を加える
・ 変化させ細工することにより心が動く
・ 心の動きを意識的に加えるので頭と心に確りと記し憶えさせることになる
要は能動的、思考的に対処して行けばよいということ。
手立ては十法。
取り入れるに安直なものから、技巧性の深いものへと順番に解説します。
1)「名付け・題名付け」の法
日常毎の些細な出来事は直ぐにも忘れてしまいます。
だが、「名付け、題名付け」すると、不思議に忘れぬものなのです。
散歩中に見掛ける田んぼ脇の草刈り人には「草刈ますお」と心の中で密かに呼んでみてください。
薄暮れの中にひっそりと健気に咲く名知らぬ花には「風の夕べの可憐草」なんぞという名をつけてみましょう。
家族や友人との楽しいひと時には「春の三時のお茶飲み座談」というタイトルなどもよいですね。
きっとのこと、「忘れないこと」となるはずです。
親しみや、愛着の思いが生じるから忘れ難くなるということです。
〔使用例〕
食事会、小旅行、見知らぬ人との出会い、等
2)「一字取り」の法
憶え込みたい物の頭部分を繋げて文章にする。
「ピーマン、なす、きゅうり、トマト、りんご、さとう、みそ、しょうゆ、たまご、」なら、「ピー・な・きゅう・り・さ・し・み・ト(ッ)・た」として時折、唱えて置けばだいたいは忘れないものです。
「一字取り」ですが、「ピーマ・な・きゅう…」と二字でもよいです。
ゴロがよい方が憶えやすいのです。
これを苗字の頭部分と捉えれば、多人数の氏名を記憶するのも至って簡単です。
尚、頭部分に限定しなければ、文章作りが楽な場合もあるから、臨機に対処すればよいことになります。
「高橋、斉藤、加藤、岩田、山本、佐々木、高田、山田、田中」なら、「高・田・い(岩)・山・本・佐々・橋・加・斉」だ。勿論、並び換えは自由。
〔使用例〕
品物リスト、団体リスト、集会参加者名、等
3)「置き換え」の法
むかし、従兄弟が交通事故に巻き込まれた事があった。
私の母が甥の大事とばかりに、数㎞も離れた現場に徒歩で出向いて、見てきて話すその内容がすごく詳しかった。
これが見知らぬ他人の事件だったなら、もちろん興味がわくことはないし、偶さか目にしたところで詳しくは憶えてはいないだろう。
また、毎日見聞きする巷の事件も、我が身につまされるようなものならば、暫くは憶えているものですね。
これを方便として用いるのが、身近なものに「置き換え」して憶える方法になります。
藤原姓の者ならば、藤原絡みの歴史事件は安直に頭に入るのです。
それなら、我が性も藤原から派生したものと思ってみればよいということ。
また、浦賀の黒船を目にして“…たった4ハイで夜も眠れず”なる狂歌を作ったのが自分の先祖だとでも捉えてみれば、1853年のペリー提督に関わる事柄やその後の日本の事件続きを鮮明に記憶ができることになります。
〔利用例〕
社会・国際事件、歴史上の出来事、詩・小説、等
